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用語解説

用語解説

超常存在

生物的・物理的に科学で説明のつかない現象を引き起こす存在・場所等全般を指す。生体・非生体を問わない。

意思疎通:可

性質

ヒト含む生物を由来とする超常存在。それそのものは非生体であることが多く、由来となった生体の死後に発現する場合が主。概して生前の未練や強い感情を起因として発生し、それが解消されることで消滅することがほとんどである。

被害

  • 微量の瘴気による健康被害(頭痛、めまい、倦怠感、気鬱)
  • 姿、声等により存在を感知してしまうことによるストレス障害
  • ポルターガイスト等による物損
  • 存在を感知した者の噂等による経済的被害
    • 個体差が大きいためこれ以外にも被害が現れることは多々ある

能力

  • 瘴気汚染
  • 意思表示、対話
  • 物理干渉(個体差大)

対応

  • 意思疎通可能であるため、霊となっている原因を探り、可能であれば解消する
  • 解消不可かつ強い害意を示し説得に応じない場合は実行部隊による強制排除
  • 解消不可かつ害意・抵抗等を示さない場合は宗教職による浄化・弔事を行う
    • 存在し続けることで周囲へ被害を及ぼす可能性がごく低いものと判断される場合は定期的な面談を条件に排除・浄化等を行わない場合もある

妖怪

意思疎通:可

性質

主にヒトの伝承等による「認識」によって発生する超常存在。発生要因となった「ヒトからの認識」によって各個体で大きく性質が異なり、特定の生物を核としている場合や、自然現象に姿や性格を与えたものなどがある。ヒトからの認識が薄れることで弱体化、消滅する。認知度によって強化・弱体化が起こる性質があるほか、自身を「ヒトの隣人」と認識している友好的なものも少なからず存在するが、倫理尺度がヒトのものと違っていることから問題を起こすこともある。

被害

  • 認知を求めるあまりヒトに対して「イタズラ」を仕掛けることがままある
  • 上記「イタズラ」による物損、傷害、認識によるストレス障害等
  • 瘴気汚染
    • 個体差が大きいためこれ以外にも被害が現れることは多々ある

対応

  • 人的・経済的被害がなければ定期巡回による見守り
  • 「イタズラ」が過ぎるようなら無害な範囲に収めるよう説得
  • 説得に応じない場合、または特性上無害で在れない場合は封印を試みる
  • 抵抗著しく封印困難な場合は実行部隊による強制排除

憑きモノ

意思疎通:可

性質

ヒトに霊・妖怪等が憑依したもの。ヒトとしての性質に加え、憑いたモノの性質や特性、能力が付与される。霊、妖怪の存在する場に行くなどすることで発生することもあれば、超常存在側からヒトを捕捉しとり憑くこともある。

憑かれやすい体質のヒトが存在し、その特性が強いものは「巫(カンナギ)」等の異能力者として呼称する。

被害

  • ヒト側の自我喪失
  • 意に反する行動による身体傷害、社会的損害
  • ヒトの身体能力を超えた能力行使による身体・精神の傷害

対応

  • ヒトの生命や健康に害が顕著な場合は即時の浄化・排除
  • 利点が大きくヒトが超常存在に対し受容的な場合は憑依の解除を試みずとも可
  • 憑依を継続するにあたり社会生活に支障が大きい場合、また本人の希望がある場合には災害対策2課による保護・雇い入れを検討する(本人が憑依の解除を希望したが解除や浄化、排除ができない場合も同様)
  • ヒトが憑いたモノの力を社会的に有害な用い方(超常存在を認知しない現行法では犯罪の要件に当てはまらないが、同等の効果を超常存在の力を用いて得ようとする等)を試みる場合には、憑依の解除、超常存在の封印を行う

意思疎通:場合によっては不可

性質

主にヒト(まれに妖怪)からの「信仰」により発生する超常存在。多くは自然物や減少に姿・性格を与えられたものであり、成り立ちは妖怪と似通った部分も大きい。妖怪とは「神域(自身の力による異界の)構築の可不可」によって差別化を行う。年季を経ること、より多くに認知されることで大きな力を持つものが多い。認知されなくなることで力を失い、消滅する。個体差はあるが、畏敬をもって接されることが多いため自身をヒトの上位存在と認識していることが多く、またそのように扱われることを好むものも多い。

十分に信仰を得ている神の力は、概してヒトが対抗できるスケールのものではないため、神を相手取ることは極力避けるべきである。

能力

  • 元となった自然物、現象を操る
  • 自我を持つ生体への精神干渉
  • 加護、祟り
  • 神域の作成

被害

  • 天災の発生
  • 祟りによる傷害、死亡
  • 神域への連れ去り

※個体差、倫理尺度の差が大きいためもたらす被害も多岐にわたる

対応

  • 基本的に即時の排除は不可能と考える
  • 意思疎通可能レベルまで怒り等を「鎮める」ことを最優先とし、対話により被害拡大を止める
  • 機動部隊、実行部隊による実力行使での鎮圧については最終手段とする。行う場合は籠目紋と自身の名を捨て、不帰の覚悟をすること
  • 長期的には「害を為さない」「益神・和魂である」という認識を広め強めることで、その通りに変質させる
  • 封じることで認知されない状況を長期化させ、弱体化、もしくは消滅を図る

怪異(機構現象型怪異)

意思疎通:不可

性質

霊、妖怪、神等が変質し、意思疎通が不可能になったものを指す。一定の条件を満たすことで一定の現象、反応を起こす「機構」であり、状況(説得)等に応じて対応を変化させるような「意志」「思考」等は存在しないか、ヒトからは観測できない。

変質元になった超常存在がなにか一つの思考、執着にとらわれた結果であることが多く、不可逆の変化により性格(人格)は失われている。

影響範囲の異界化を伴うことがあり、また多くは無防備なヒトにとって致命的なレベルの濃度の瘴気をまとっているため、影響範囲内への立ち入りだけでも大きな危険を伴う。

能力

  • 元となった超常存在の能力に依存する

※大幅な強化、拡大解釈を含んだ能力の増加が見られる

  • 影響範囲内の環境を自身に有利な状況に固定する

対応

  • 一般人の即時退避
  • 現地対応職員の瘴気対策強化
  • 影響範囲の特定、変異元となった超常存在の特性把握
  • 怪異独自ルールの把握
  • 以上が完了した後、元となった超常存在個体に象徴される「核」の破壊、排除
  • もしくは影響範囲を結界で封印、禁足域指定とし財団資本による土地の入手を行い、一般人の立ち入り制限に加え周囲の警備と定期観測を行う

異界

怪異によって作り出された、現実とは位相の異なる世界。

怪異にとって都合がいい、あるいは怪異が固執しているイメージに基づいた独自の法則、規則が適用された世界であり、時として物理法則や時間の経過速度さえ現実とは異なる場合があるため、侵入自体が大変な危険を伴う。

多くの場合、高濃度の瘴気で一定範囲内を満たすことにより構築される世界のため、対策を行わない場合重篤な傷害を受けるほか、死亡の危険もある。

また、電子機器の不調を引き起こし、通信妨害を受けることもあるため、接近・侵入の際には電子機器を使用しない通信方法を確保しておく必要がある。

神域

神によって作られた異界。

上記「異界」と大きな違いはなく、物理法則や時間の経過速度が現実と異なることがある。神が信仰によって得た力で構築されており、極めて清浄であることが多い。

瘴気ほど即座にヒトの毒となる環境ではないものの、ヒトの生きる世界よりも清すぎるため、長くいることでヒトの身体・精神に悪影響を及ぼすことが多い。

※ヒトを海水魚としたとき、異界は飽和食塩水に満たされており、神域は真水に満たされていると例えられる。

瘴気

毒蒸気のようなもの。

通常は質量をもたず、発生要因によって状態・動きは異なるが、基本的には気体・液体等の流体状。例外も存在するが、壁、川、谷、山、亀裂等の「境界」に遮られる性質がある。

可視性、他ヒトからの認知のされ方は各個人の認識能力に依存する。特に瘴気の感知をしやすいのは、視覚、嗅覚、触覚による超常存在感知に長けた者だが、瘴気の濃度が高くなれば、普段感知しない感覚器でも感知できるようになることがある。

触れることで、悪心、強い不安感、体調不良、超常存在感知感度障害を起こす。影響の強さ、悪化度合いは、瘴気の濃度、接触時間、個人の瘴気耐性により異なる。

濃度の測定は既定の形代に対する侵食速度の計測によって行う。

対応

瘴気に触れる際には浄化符、あるいは形代等を用い、身の回りを浄化するか悪影響を引き受けさせる身代わりを作っておくこと。

また、影響範囲を拡大させないため、物理障壁の作成、結界構築による対策を推奨する。

実体化瘴気

毒霧のようなもの。

瘴気の濃度が上昇・飽和し、実体化したものであり、通常の瘴気と異なり質量をもっている。そのため、一般人にも視覚・嗅覚等で感知できるようになる。

基本的な性質、人体への影響は通常の瘴気と変わらないが、濃度が高いため侵食は比較にならない程速く強い。また、瘴気の発生原因によって特殊な毒性が追加される場合があること、急激な侵食を受けることでショック状態に陥ったり、急激な精神状態の悪化によるヒステリー症状の発出などを起こしたりする可能性に留意が必要。

対応

浄化符、形代に加え、物理的に触れたり吸い込んだりしないよう防疫装備を使用する。

また、上記対応は一時的に侵食を鈍化させるのみで、完全な対策は現在の技術では不可能なため、一刻も早い退避を強く推奨する。

実体化瘴気中での活動は非推奨とする。

結界

超常存在に対しても有効な「境界」を指す。

物理障壁による囲い、覆い、符その他を利用した一般人には不可視の囲いや覆いである。簡易なもので地面に線を引くことでも作成が可能。作成者の精神力、イメージ精度によって結界の強度は大きく変化するが、効果を保存したツールを作成、使用することにより、ある程度一定の強度と範囲を持った結界を誰でも発現させることが可能である。

符、札

特定の効果を保存した、紙状、板状のツール。

結界構築、身代わり、封印、能力強化、浄化等。設定された言動による起動コードを与えることで、保存された効果が発現するもの。あらかじめ作成して所持しておくことにより、必要なときに迅速に効果をあらわすことが可能。スイッチを押せば起動するアプリケーションと考えることができる。

動力として、ヒトの精神力を使用するものと、神の力を借りるもの、環境から必要な力を回収して使用するもの等がある。災害対策2課では主として、ヒトの精神力を使用するもの、神の力を借りるものを使用している。

ヒトの精神力を使用するものは、作成時に精神力を既定量こめて効果とともに保存することで、使用時に精神力の消耗を抑えることができる。なお、あらかじめ込めておいた精神力を消費しつくすと効果を失う。

神の力を借りるものは、対象の神が干渉可能な場所であれば、半永久的に効果を保つが、干渉不能な場では効果を発揮しないうえ、作成に信仰が必要なため誰にでも作れるものではない。

形代

身代わりとなる符、札を指す。

感染呪術、類感呪術を複合使用したもの。瘴気、呪詛等の影響を受けた場合、それを形代に「移す」ことができる。起動コードは「名入れ」あるいは「体組織(唾液、血液等)の付着」。

動力は必要とせず、起動することで瘴気、呪詛等を流し込む器として機能する。複数所持のうえ順に使用すれば瘴気中での活動時間の延長が可能だが、1つあたりの容量が決まっており、既定量を超えると瘴気等の吸収が止まり効果を示さなくなる。

所持している形代が尽きれば自身に直接影響を受けることになるため、安全域へ退避するまでを考慮し、余裕を持った運用をすること。

使用済みの形代は使用者と強く縁付いた呪具として利用可能なため、不用意な投棄はせず、焚き上げるか水に流すなど、適切な処理を行う。